備忘録

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“早見沙織 JUNCTIONツアー”に行ってみたら予想以上に楽しめた件

 久しぶりに自分が行きたいと感じて、能動的にライブへ行ってみた。

 

 そんなわけでGWの真っただ中に、東京国際フォーラム ホールAで行われた“早見沙織 JUNCTIONツアー”にお邪魔してきたのだ。

 

 『JUNCTION』というのは、早見沙織さんの2ndアルバムにあたるわけだが、1stアルバムの『Live Love Laugh』に負けず劣らずの名盤である。

 

 早見さんの魅力は、声質と演技――声優であるからして当たり前だが――だけにあらず、歌唱でも抜群の存在感を放つところにある。女性にしては高すぎず、低すぎもしない、非常にセクシーな声音が個人的には好きなのだが、これは歌という形でも聴き手にフィットする。

 

※あくまでも個人の感想であることを了承いただきたい。

 

 ただし、前述の表現に断わりを入れるのであれば、声優としての早見さんは女子学生役でも違和感がなければ、女性教師役でも違和感がないと言える。これは、ひいき目なしにそう感じるのだ。

 

 と、ここまでべた褒めした早見さんがどんなステージングを行うのか。ひたすら楽しみであった。なにせ、私は早見さんのステージを見るのが初めてであり、仕事以外でライブに伺うのは久しぶりであったからだ。もしかしたら、たまの休みということでテンションが上がっていたのかもしれない。

 

 どれくらい楽しみだったかと言えば、家を早く出発しすぎて、一緒に参加する友人と会う前に、意味もなく家電量販店に入り浸ってしまうほど。

 

 閉ざされた幕が上がっていく模様に目を奪われていると、それはさも当たり前のように、その人が舞台で歌うことが、ずっと前から決まっていたかのごとく始まった。

 

 多少、呆気にとられていると、1曲目の『Let me hear』が披露された。

 


早見沙織「Let me hear」MUSIC VIDEO

 

  言わずもがなの名曲である。サビの歌詞などは、こっちの心情を汲み取るような表現。正直、『JUNCTION』を家で初めて聴いた時から気に入っていた。

 

 まあ、厳密にメモをとっていたわけでもないので、セットリストは曖昧なのだが、『メトロナイト』を終わりに、アップテンポな曲は終わったように思える。

 

 『白い部屋』からは、聴かせることをメインにした構成で歌声が会場を圧倒していた。私が早見さんの歌、もとい歌声で一番好きなのが高音部分である。儚げで、どこか消えてしまいそうな声は、この『白い部屋』で十分すぎるほどに感じられる。

 

 この辺りからは、ステージの幕に映像を映す演出もあわさり、私を『白い部屋』の世界に誘う。

 

 物悲し気な曲調の『白い部屋』は歌詞だけを見ると、非常に退廃的で、直接的に表現するならば暗い(笑)。感想を述べると、とても好みな曲なのだが。

 

 続いて披露された『祝福』は、後ろ向きに前向きな曲である。雑に表現するならば、「今日はダメだったけど、明日からはいいことあるよね」といった、少し投げやりなポジティブを表現しているようにも思える。これは各々の解釈もあると思うが。

 

 ありがちに前を向こうといった曲だけでなく、このようなバラエティに富んだ曲も聴けるのがシビれるのだ。

 

 早見沙織ワールドは、しっとりとした曲調のものをいくつか歌い続けても損なわれることはない。彼女が歌うだけで発生する空気感とでも評したほうがいいのだろうか。それが会場に満たされていくのだ。

 

 というわけで、ダラダラと書いても仕方がないので、私がもっとも聴きたかった『little forest』の話をしようではないか。

 

 『little forest』は、恐らくクランチ気味のギターと、管楽器(トランペットかな?)、コーラスのみで構成されているシンプルな楽曲だ。

 

 little forestとは、なんなのか。明言されてはいないが、これも聴き手に委ねられていると思うと、非常におもしろい曲なのだ。そして、思わず笑みがこぼれてしまうほどに、前を向こうと思わせてくれる楽曲でもある。

 

 ライブではアレンジが加えられ、些末な表現であるが、深みが増したように思えた。ただ、やはり自宅で幾ばくかする値段の機械を介して聴く音よりも、実際に会場で聴く『little forest』は別格。音楽というのはこういうものだ。感情を揺さぶり、何かを引き出すものだと再認識させてくれた。

 

 そんな満足感をおぼえすぎるライブを浴びたあとは、お酒もすすむものだ。今日は、生涯でも屈指の酒が飲めた。ありがとう。早見さん。