備忘録

思いついたことを書いたり、書かなかったり

シャッター アイランド

 久しぶりに映画を見た。『シャッター アイランド』というミステリー小説をもとにした映画である。

 

 精神病患者が隔離された孤島に派遣された連邦保安官のテディと、相棒のチャックを軸にした物語だ。

 

 目的は行方をくらました孤島の患者レイチェルを捜索することだったが、物語が進むにつれて雲行きは怪しくなっていく。恐ろしくも強大な陰謀が、この事件にはある……と気が付いたテディと視聴者は、謎に深く入り込んでいく。

 

 私が何点か本作で気に入ったポイントを挙げるとするならば、テディが最後の台詞を紡ぐところ。そして、序盤に院長の家で吸っていたタバコの煙が戻る演出。

 

 最後の台詞がどうであれ、解釈によっては物悲しさを抱く。個人的にはタバコを素直に受け取ったことから、間違いなく彼は何かを取り戻してはいたんだろうと思った。

 

 かなり序盤にタバコの煙が戻る演出も憎かった。煙が戻る=過去へ巻き戻っている演出は、当時の出来事を想起させる。ここである程度の合点がいってしまい、なんとなく最後まで予想はできたが、本当にそうなのだろうかと思わせる演出と展開には脱帽だ。

 

 細かい演出もさることながら、最後の最後まで思考を巡らせることを促すような仕組みに感動した。

 

 惜しむらくは、私がこの映画を見るまで10年近くもかかってしまったことだろう。もっと早く出会っておきたかったものだ。